2005 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞を標的とした新規免疫抑制ペプチドの免疫制御機序解明および臓器移植への応用
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17790902
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
藤 直子 (舟島 直子) 国立成育医療センター(研究所), 共同研究管理室, 流動研究員 (60399483)
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Keywords | 樹状細胞 / 新規免疫抑制化合物 / 免疫制御 / 臓器移植 / 抗原提示分子 |
Research Abstract |
17年度の研究は、ラット骨髄からFlt-3/Flk-2+IL-6を用いた培養法により、樹状細胞(DC)の大量分化誘導方法を確立できた。この方法により得られたDCに新規免疫抑制化合物NK026680を添加し、DCの細胞形態の観察、FACSによる表面分子の発現を比較検討した。NK026680の添加量依存的にDCの分化マーカーであるCD161aの発現が低下することから、DCの分化誘導培養中における当該化合物添加により、細胞増殖および骨髄細胞からDCへの分化誘導が抑制されたことが示唆された。また、FACSによる細胞表面分子の検討では、DCの抗原提示分子であるCD86,Iaの発現がNK026680添加培養で得られたDCで低下していることが確認された。さらにNK026680添加培養で得られたDCの機能的解析に関しては、混合リンパ球反応(MLR)によりNK026680の添加量依存的にリンパ球の増殖抑制が認められた。サイトカインについてはRT-PCRおよび定量PCRの検討により、NK026680添加培養で得られたDCのIL-12 mRNAの発現が減弱、IL-10 mRNAの発現が有意に増加していた。これらの結果を踏まえ、DNA chipを用いた解析も行う予定である。以上より、NK026680のラット骨髄由来DCの分化誘導、リンパ球活性化および移植後拒絶反応に対する免疫抑制効果が認められ、新しい免疫抑制剤としての可能性が示唆された。18年度は、ラット肝移植モデルや、ラットEAE(Experimental Autoimmune Encephalomyelitis)モデルを用いて、NK026680の効果をさらに検討する予定である。
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[Journal Article] Human umbilical cord blood-derived cells differentiate into hepatocyte-like cells in the Fas-mediated liver injury model.2005
Author(s)
Nonome K, Li XK, Takahara T, Kitazawa Y, Funeshima N, Yata Y, Xue F, Kanayama M, Shinno E, Kuwae C, Saito S, Watanabe A, Sugiyama T.
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Journal Title
Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. Dec;289(6)
Pages: 1091-1099
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