2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790909
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
工藤 篤 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (20376734)
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Keywords | MRP2 / 脂肪肝 / 胆汁 / 解毒膿 / 炎症細胞浸潤 |
Research Abstract |
肝臓冷保存虚血再灌流障害に伴う肝細胞毛細胆管膜上のMultidrug resistance protein 2(Mrp2)に着目し、Kupffer細胞由来のThromboxane A2が肝細胞のMrp2を介したOrganic anion輸送を抑制することをHepatology2004.Aprilに報告した。その後本研究に至った。以下、現在までの実験結果を示す。 Dietary Steatohepatitisにおける脂肪肝の解毒機能は、microvesicular fatty depositが主体のレベルでは不変だが、macrovesicular depositが主体になるレベルで障害されることがわかった。特にグルタチオン抱合物の胆汁排泄は減少し、Carboxyfluoresceinによるtransport assayによるMRP2の排泄機能は著名に障害されていることが判明した。このMRP2機能低下がどうして引き起こされるのかを調べるために、GdC13にてKupffer細胞の除去を行ったところ、予想に反してMRP2の排泄障害は改善されなかった。しかし、Thromboxane A2合成阻害剤の投与ではMRP2の排泄障害の改善か得られた。これらの結果は非常に興味深く、脂肪肝の病態解明と治療に結び付く現象であると考えられたため、現在、このThromboxane A2の発生源の検索を行っている。TargetとしてKupffer細胞ではない炎症性細胞と血小板が考えられる(Kupffer細胞ではない炎症性細胞の除去については、PPAR agonistを利用した予備実験で良好な結果を得たので、近日中に解決できる可能性が高い)。 リアルタイムイメージングはmacrovesicular depositを伴う脂肪肝には従来の方法が適応できないことがわかった。すなわち、同脂肪肝は光の透過が極めて悪く、観察には強いレーザー照射が必要になる。このため、従来のコンフォーカルレーザーによる解析では蛍光のbridgingが著明で、繊細な機能解析方法である本方法は不可能である。現在、bridgingを少なくするオリンパスDSU-unitの導入を試行している。現在までの正常肝を用いた予備実験では、かなりのbridgingを回避できることが判明している。より高感度のCCDカメラが必要かどうか検討中である。 18年度は以上の成果に全力を注いで進展させていく予定である。
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