2005 Fiscal Year Annual Research Report
CDK阻害蛋白p27の新規ユビキチンリガーゼの機能解析と消化器腫瘍形成への関与
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17790910
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
菊池 寛利 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (70397389)
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Keywords | p27 / 細胞周期 / ユビキチン |
Research Abstract |
以前の研究で当講座は、CDK阻害蛋白質p27の新規ユビキチンリガーゼであるKNAF1 Kip1 N-terminal Association Factor 1)を同定し、KNAF1とp27の結合、KNAF1によるp27のユビキチン化および量的制御、KNAF1による細胞周期促進機構を解明した。さらに、KNAF1をbaitとしたyeast two-hybrid法を行い、いくつかの結合蛋白KNAF1-BPs(KNAF1-Binding Proteins)を同定した。このうちの1つであるKNAF1-BP1はRING domainを持ち、ユビキチンリガーゼ活性を有することが知られている。われわれはこれまでの研究で、以下の結果を得た。 1)大腸癌細胞COLO0320を用いた免疫沈降にて、内因性KNAF1とp27の結合を確認した。次にCOLO320細胞の内因性KNAF1をRNAi法を用いてノックダウンし、サイクロヘキシミドを用いたチェイス実験でp27の分解速度が遅延していることを確認した。 2)293細胞内にKNAF1とKNAF1-BP1を強制発現させ、KNAF1がKNAF1-BP1によってユビキチン化されることを確認した。さらにsiRNAによるKNAF1-BP1のノックダウンを行い、KNAF1の蓄積およびチェイス実験でKNAF1の分解速度遅延がみられるか検証したが、いずれも否定的な結果であった。しかし同実験において、KNAF1-BP1のノックダウンによるp27の蓄積および分解速度遅延が観察された。さらに、KNAF1-BP1のノックダウンによる細胞周期遅延が観察され、KNAF1-BP1はKNAF1同様にp27の分解制御を介した細胞周期促進機能を持つ可能性が示唆された。現在、KNAF1-BP1のp27への作用は直接的であるのか、あるいはKNAF1を介した間接的な作用であるのか等を検証中である。
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