2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色体の増幅・欠失の網羅的検出解析による多発及び再発肝細胞癌の遺伝子診断の確立
Project/Area Number |
17790915
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
小泉 恭子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究員 (70379593)
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Keywords | ゲノム / 染色体異常 / 肝細胞癌 / 定量PCR / 再発 |
Research Abstract |
肝細胞癌では、外科的な根治的切除後や局所治療後も、5年以内に約80%で再発が見られる。これは微少肝内転移(IM)や異時性多中心性発癌(MC)が原因と考えられるが、IMとMCでは治療方針が異なるために、この両者を見分けることは癌のオーダーメイドな治療を行う上で臨床上重要であると考えられる。本研究では、染色体におけるゲノムコピー数を測定する手法を開発し、その手法を用いてIMとMCの染色体異常を同定し、その違いを解明することを目的とする。 まず、今年度はPCRベースでの染色体ゲノムコピー数の変化を同定する手法(Competitive Genome PCR法;CGP法と命名)の開発を行った。CGP法はPCRで行うため、簡便で臨床的にも使いやすいと考えられる。現在までに本手法を開発し確立したが、本手法の感度を検定するため、以下の解析を行った。まず、X染色体のコピー数の異なるcell line(46XY(1X)、46XX(2X)、47XXX(3X)、48XXXX(4X)、49XXXXX(5X)の5種類の核型をもつcell line)からのgenomic DNAを用いて、46XXをreferenceとし、本手法によりX染色体のコピー数の比較を行ったところ、微小なゲノムコピー数変化も検出でき、高感度で解析が行えることが判明した。また12種類のneuroblastoma cell lineからのgenomic DNAを用いた、MYCN遺伝子近傍の増幅領域の同定をするなど、実用的な解析が可能であることも明らかとした。この手法は、昨年11月に国内で特許申請を行ったほか、現在、論文の投稿も完了している。現在は肝細胞癌を用いて、IM,MCの遺伝子診断を行うべく、プライマーを設計し、順次解析を行っているところである。
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