2005 Fiscal Year Annual Research Report
同所性移植モデルにおける胆嚢癌の転移・進展機序解析とその臨床応用
Project/Area Number |
17790923
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80311893)
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Keywords | 胆嚢癌 / 肝転移 / リンパ節転移 / 腹膜播種 / 同所性移植 / 高転移株 |
Research Abstract |
1.胆嚢癌の肝転移、リンパ節転移、腹膜播種に関し、それらの生物学的機序の解明を目的とし、胆嚢癌同所性移植モデルを用いた実験・研究を企画立案した。 (1)肝・リンパ節転移、腹膜播種の三つの転移・進展形式を個別に有する選択的転移株を樹立する。 (2)得られた選択的転移株を用いin-vitro、in-vivo(xenograft)での細胞・分子生物学的解析を行う。 (3)既知または新規分子標的に対し転移阻止実験を行い、胆嚢癌の転移・進展に関する新規分子標的治療法を確立する。 以上が本研究の主要な目的である。 2.本年度の研究実績 (1)胆嚢癌細胞株NOZを用いたヌードマウス同所性移植モデルの追試 Horiuchiらの確立した胆嚢癌細胞株NOZ同所性移植モデルを追試すべく、細胞株を入手した。安定的な実験を行うためこれらのcell stockを行なった。このモデルの再現性をわれわれの研究室において検討したが、条件により結果が一定せず、さまざまな条件検討を付加している最中である。この間にgreen fluorescent protein(GFP)遺伝子発現ベクター(pCDNA-GFP)を、NOZをはじめとする胆嚢癌細胞株に安定的に導入し、蛍光標識された癌細胞株をin-vitroで作成した。 (2)各種選択的転移株の作成;教室においてこれまで行ってきた各種選択的転移株の作成方法に準じ、肝、リンパ節転移巣、腹膜播種巣より初代培養化し再度同所生移植を繰り返すことで、各種高転移株を作成途上である。通常、同所生移植、初代培養化、再移植を5〜7回繰り返すことで高い選択性を備えた各種転移株を樹立しうる。 (3)担癌マウスの移植腫瘍巣と各種転移巣腫瘍組織の採取;最終的に得られた、高い選択性を有する各種癌細胞の移植巣と、肝、リンパ節転移巣、腹膜播種巣を凍結標本として保存することを目的としているが、安定的な同所誠意食の条件検討中であり、次年度の課題である。
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