2007 Fiscal Year Annual Research Report
胃発癌における塩基除去修復遺伝子(hOGG1,MYH,hMTH1)変異の重要性
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17790929
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小林 克敏 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (60343547)
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Keywords | 胃癌 / 塩基除去修復 |
Research Abstract |
昨年度までの研究では,hMYHの5'側はスプライシングバリアントが7種類あり,それらmRNAがタンパク質として機能をもつのか持たないものなのかについて,full sequenceを想定し,それらバリアントの意義について検討を開始していた.本年度はそれらスプライシングバリアントのシークエンスの検討により,2つのバリアント(aberrant transcript)は機能性タンパク質とならないことが判明した.健常人のリンパ球にはhMYHのaberrant transcriptは認められなかったが,3種類の胃癌培養細胞株すべてにaberrant transcriptを認めた.さらに患者本人が承諾の上採取した胃癌臨床検体では,正常組織では30例中3例(10%)にaberrant transcriptを認めたのみであったが,癌の部分では30例中20例(67%)にaberrant transcriptを認め,癌組織ではhMYHのsplicing fidelityが抑制されているとともに,hMYHのaberrant transcriptが発癌に何らかの関係があるのではないかと示唆された.以上の結果を論文にまとめ,ANTICANCER RESEARCH 28号(2008)にて発表することができた.またhOGG1およびhMTH1の遺伝子発現については,スプライシングバリアントの数が非常に多く,数種類のプライマーを用いてRT-PCRを行ったが,遺伝子発現抑制と胃発癌との相関性について検討できるだけの信頼性のある結果を得られなかった.そこで遺伝子発現を蛋白レベルで観察しようとhOGG1およびhMTH1の免疫組織化学染色を試みたが,信頼性のある染色結果が得られなかった.
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