2007 Fiscal Year Annual Research Report
小型ポンプによる冠灌流と単純浸漬を組み合わせた搬送型臓器保存装置による長時間心保存
Project/Area Number |
17790940
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大嶋 清宏 Gunma University, 医学部, 講師 (60361375)
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Keywords | 心移植 / 心停止ドナー / proinflammatory cytokine / interleukin-1β / tumor necrosis factor-α |
Research Abstract |
心停止ドナーを用いた心移植において,proinflammatory cytokineであるinterleukin(IL)-1βおよびtumor necrosis factor(TNF)-α産生抑制の効果を検討した.実験には雑種成犬を用いた.対象を3群(それぞれn=5)に分けた;対照群,FR-1群(IL-1およびTNF-α産生抑制剤であるFR167653をドナーにのみ投与)およびFR-2群(FR167653をドナーとレシピエントに投与).移植前値として,ドナー心の心拍出量(CO)および左心室圧一次微分値(±LVdp/dt)を測定後,FR-1とFR-2群に虚血30分前からFR167653を静脈投与した.腹部大動脈および下大静脈からの急速瀉血により心停止を得た後30分間放置した.ドナー心の冠動脈を4℃のCelsior液でwash-outし,同液でドナー心を4時間保存した後体外循環下に同所性移植した.FR-2群には,大動脈遮断から実験終了までFR167653を静脈投与した.再灌流1時間後に体外循環を離脱し,CVP10mmHgおよびドーパミン5μg/kg/min投与下に再灌流3時間後の循環動態を3群間で比較検討した.病理組織学的検討も行った.結果として,対照群とFR-1群およびFR-1群とFR-2群には循環動態に有意差はなかったが,FR-2群は対照群と比較してCOと-LVdp/dtが有意に良好であった.病理組織学的検討の結果でも,心筋繊維はFR-2群が対照群に比較して良好に保たれていた.ドナーおよびレシピエントにおけるproinflammatory cytokine産生抑制は心停止ドナーからの移植心に有効に作用した.
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Research Products
(4 results)