2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790941
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清水 公裕 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90375535)
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Keywords | AMPA型グルタミン酸受容体 / 肺癌 / real-time PCR法 / 免疫染色 |
Research Abstract |
1)肺癌細胞株22株でのα-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid(AMPA)受容体の遺伝子発現について検討した。細胞株からtotal RNAを抽出し、real time PCR法を用いてAMPA受容体の4種類のサブユニットであるGluR1からGluR4のRNA発現レベルを定量的に計測した。結果、GluR1からGluR4のいずれかにRNAレベルでの発現を認めた肺癌細胞株は,腺癌由来11株中6株、扁平上皮癌由来4株中1株、大細胞癌由来2株中1株、小細胞癌由来4株中4株、肺カルチノイド由来1株中1株であり、肺神経内分泌腫瘍由来の肺癌細胞株で強い発現を認める傾向にあった.特にGluR2が肺神経内分泌腫瘍である小細胞肺癌細胞株で、非小細胞性肺癌細胞株に比べ強く発現していた。 2)肺癌細胞株5株(腺癌由来:A549,小細胞癌由来:H524,H526,Lu135,N417)でのAMPA受容体の蛋白発現について検討した。GluR1からGluR4の4種類のサブユニットに対する免疫染色を行ったところ,いずれも陽性で細胞質に蛋白発現を認めた。特にGluR2が肺神経内分泌腫瘍である小細胞癌細胞株で強く発現していた。 以上の結果より、肺癌においてAMPA受容体が何らかの重要な働きをしていることが推測された。特にGluR2の発現は肺神経内分泌腫瘍である小細胞癌で特異的に強く、発現パターンは脳腫瘍である神経膠芽細胞腫と似ていた。この結果はGluR2が小細胞癌と非小細胞癌との鑑別診断に臨床応用できる可能性を示唆していた。現在、GluR2の発現形式、特にQ(未編集型)/R(編集型)の発現の有無と割合を解析している。また、GluR2抗体を用いた免疫染色を臨床検体に対して行い、他の神経内分泌マーカーと、その発現パターンや発現割合などについて比較検討している。
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