2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790957
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
松村 洋高 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20307466)
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Keywords | 骨格筋グラフト / シーケンシャルペーシング / フォンタン手術 / 再生心大血管外科 |
Research Abstract |
近年、Fontan手術の施行により、単心室の手術成績は著しく向上しているが、術後遠隔期にはquality of life、運動能の制限などの問題点が残されている。また手術適応が心肺機能に大きく制限をうけるため適応除外症例も存在する。本研究の目的は単心室症例の右室ポンプ機能を再現させることにある。 今までの基礎研究により広背筋による右室機能の再現の可能性が示唆されたが、縦隔内はスペースが制限されており右室ポンプを新設することは容易ではなく、特に小児においてこの傾向が強かった。配置場所によっては肺を圧迫し後負荷の増大を来たすという矛盾があった。容積の制限された縦隔内において、右心耳-肺動脈間にシーケンシャルペーシングを利用した生理的かつ効率的な遊離型自己蠕動広背筋ポンプの作製を試みた。 今年度は、10kgのビーグル犬を用いて、右心耳-肺動脈間遊離型自己広背筋ポンプの急性期モデルを作製した。まず、冠動脈末梢の結紮による急性の右心室梗塞モデルを作製し、それに対する遊離型自己広背筋ポンプが縦隔内で効率的に右心機能を代行するような配置とデザインを検討した。検討の結果、左開胸により、心嚢内に遊離広背筋による骨格筋グラフトを誘導し、梗塞層を覆うように広背筋ポンプを配置し、グラフトの栄養動静脈を適正に移植することでポンプ補助が可能なモデルを作製することができ、急性期の段階では心同期がとれれば、心拍出の増加が認められた。 来年度は、広背筋ポンプの耐久能力を評価し、さらに詳細に心収縮能・拍出パターンを解析するツールとして、ソノメトリクス社のデジタル心機能評価システムを導入して、その解析を詳細に行い、右室補助ポンプの精度向上を検討していく予定である。
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