2007 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場(7T)MRI拡散強調画像による大脳白質放射線障害の解析
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17790965
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
深見 忠輝 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (40378451)
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Keywords | diffusion weighted image / FA(fractional anisotropy) / 7TMRI / diffusion tensor / radiation / white matter injury |
Research Abstract |
7T-MRIを利用し白質障害の程度を反映するとされるfractional anisotropy (FA)値を測定することで放射線治療による白質変性をin vivoで定量的に評価した。また対象部位の病理学的変化も併せて解析した。6週令のSDrat9匹に40Gy一括照射を行い照射後18-48週(p18w, p24w, p30w, p36w, p42w, p48w)に脳梁部の平均FA値(mFA)を測定し、非照射群(C群)との比較検討を行った。組織検討は照射24、36、48週後の免疫染色にて実施した。照射群(R群)のmFAはp30w以降で低下し壊死巣が最大となるp42wはp18w、p24w、p48wに対し有意に低値であった(p<0.05)。両群間比較では、R群はC群に対しp30w-p36wに低下傾向を示しp42wには有意に低値(p<0.05)となったが、p48wではR群の再上昇により2群の差は認めなかった。組織検索では脳梁部に拡張血管と浮腫の出現、脳梁構造の崩壊と壊死を認めた。拡張血管は照射後有意に増加し(p<0.01)、軸索成分はp36wで減少、p48wには軸索構造崩壊も一部認めた。またoligodendrocyteは経時的に減少した。myelin basic protein (MBP)陽性組織はp36wで減少し脱髄所見を認めたが、p48wにはミエリン成分は増加しoligodendrocyteの胞体内にMBP陽性組織が出現しておりremyelinationが起こっていると考えられた。p48wにおけるMBP陽性組織の増加に随伴したFA値の上昇変化を考慮すると、FA値は他の組織因子に比べミエリン量の変化により強い影響を受けると推察できる。FA値は病変出現時に低下しremyelinationの際の組織変化も定量的に捉えられ、ミエリンが関連する白質病変をin vivoで評価する上で将来有用な指標になりうる。 現在上記内容を雑誌「脳神経外科」に投稿中である。
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