2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子ATBF1とZFH4による筋分化再生誘導に関する研究
Project/Area Number |
17790994
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
野上 重治 富山大学, 附属病院, 医員 (40377304)
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Keywords | 再生医学 / 生体分子 / 発現制御 / 発生分化 / 筋肉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウス筋損傷モデルにおけるATBF1、ZFH4の発現解析を行い、これらとMyoD、myogeninとの関連を明らかにすることで骨格筋組織再生メカニズムにおける、ATBF1とZFH4の役割を明らかにし、in vivoにおける骨格筋組織再生誘導への手がかりとすることであり、現在以下の実験を行っている。 1.蛇毒を用いたマウス筋損傷モデルの作製。 蛇毒であるcardiotoxinを使用してマウス筋損傷モデルの作製を行った。筋損傷の標的としてヒラメ筋と前脛骨筋を選択したが、損傷状態の均一性と、組織採取の簡便さから前脛骨筋損傷モデルが適していると判断し、同部位にcardiotoxinを筋肉内注射することで実験モデルマウスを作製し、実験をすすめている。 2.損傷した筋組織の免疫組織化学 損傷した筋組織を免疫組織化学にて検討する上で組織の固定法の検討を行った。新鮮凍結組織の作製は成功率が低いが、酵素学的な評価を追加する可能性を考慮すると、必要と考えられる。ホルマリン標本は比較的容易に作製可能であったが、免疫組織化学ではMyoD、myogeninの条件設定の確立には至っていない。今後、抗体の希釈倍率や反応時間などの検討を行い、実験をすすめていく予定である。 3.損傷筋組織でのRT-PCR解析 凍結保存した筋組織からmRNAを抽出し、RT-PCRにてATBF1、ZFH4、MyoD、myogeninに加え、MRF4の発現解析を行っている。筋損傷作製後、経時的に筋組織を採取し、凍結保存したサンプルを使用している。筋組織からのmRNA抽出は比較的安定している。目下の課題はATBF1とZFH4のPCR条件の確立である。このPCR条件が確立すれば、ATBF1、ZFH4とMyoD、myogenin、MRF4の筋再生時の発現パターンを明らかにできると思われる。
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