2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫に対するスタチン系薬剤を用いた肺転移抑制効果の検討
Project/Area Number |
17790998
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
友田 良太 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60378289)
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Keywords | 肺転移 / 骨肉腫 / スタチン / 腫瘍休眠療法 |
Research Abstract |
骨肉腫は原発性骨腫瘍の中で最も発生頻度が高く、強力な化学療法、手術的治療の進歩により、その予後は改善してきているが、一旦肺転移を来すとその予後は以前不良であり、肺転移をコントロールする新しい治療が期待されている。その一つとして副作用の少ない抗転移薬により、肺転移をコントロールし、腫瘍と共存していくいわゆる腫瘍休眠療法の可能性を追求するため、スタチン系薬剤を取り上げて研究を展開しようと試みている。 高肺転移能を有するマウス骨肉腫細胞株を用いて、スタチン系薬剤添加による骨肉腫細胞の細胞運動能の変化を解析した。培養腫瘍細胞を濃度の異なるフルバスタチン添加培地に交換して培養し、24時間刺激後細胞を回収した。ボイデンチャンバー法にて細胞の移動能の変化を解析した。フルバスタチン添加により有意に細胞移動数が減少し、これにより、フルバスタチンによる細胞移動能抑制効果が観察された。 次に、上記の細胞株を用いた実験的肺転移モデルを使用して、フルバスタチンを投与することにより自然肺転移の抑制効果を検討することとした。肺転移結節数、肺湿重量を計測し、肺転移抑制効果を検討する。細胞接種4週後よりフルバスタチンを2週間投与した後評価をしたが、腫瘍形成能が強く、薬剤投与完了前に腫瘍死するマウスが観察された。今後、接種細胞数、薬剤投与開始時期、投与期間等を調整し、再実験、再評価の予定である。現在のところ、明らかな副作用は認めていない。
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