2005 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の分化決定機構におけるエピゲノムの関与
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17790999
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 朋樹 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90378886)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 分化制御 / コンドロモデユリンーI / エピジェネテイック / メチル化 |
Research Abstract |
1.間葉系組織及び細胞におけるChodromodulin-I(ChM-I)遺伝子転写調節領域のメチル化 関節軟骨、骨、脂肪、筋肉の各組織、及び間葉系幹細胞、線維芽細胞、末梢血白血球の各細胞におけるChM-I遺伝子転写調節領域のメチル化を解析した。転写調節領域には21ヶ所のCpG配列があり、メチル化修飾の有無をbisulfite sequence法により解析した。全体のメチル化の程度は関節軟骨で平均2,5部位(12%)、骨で10.9部位(52%)、脂肪で5.4部位(26%)、筋肉で5.6部位(27%)がメチル化修飾を受けていた。特に転写に重要なCpG(-52bp)については、関節軟骨は全くメチル化されておらず、他の組織ではそれぞれ異なる頻度で(脂肪、10%;筋肉、20%;骨、40%)メチル化修飾を受けていた。細胞においては、間葉系幹細胞と白血球が全体でもメチル化の頻度が低く(1.7ヵ所、8%と1.9ヵ所、9%)、CpG(-52bp)は両者とも全くメチル化修飾を受けていなかったのに対し、繊維芽細胞では広範に(16部位、70%)、かつCpG(-52bp)については完全にメチル化されていた。これらの結果より、ChM-I遺伝子の発現調節機構はメチル化に加えて他の因子も関与していることが判明した。 2.ヒストンアセチル化修飾とChM-I遺伝子の発現 間葉系幹細胞2株及び骨肉腫細胞株7株をヒストン脱アセチル化阻害剤であるMS275で処理しChM-I遺伝子の発現をRT-PCR法により解析した。この結果間葉系幹細胞2株および骨肉腫細胞株1株でMS275処理によりChM-I遺伝子の発現が誘導された。この時には転写因子Sp3が転写調節領域に結合することが明らかになった。さらにMS275処理によりChM-Iの転写調節領域のメチル化修飾がヒストンアセチル化に続いて除去されるという結果を得られ、ヒストンのアセチル化とメチル化修飾の間にクロストークの存在が示唆された。
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