2005 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対するアデノシンを用いた2次的神経障害の抑制と軸索再生に関する研究
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17791005
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森野 忠夫 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (20380248)
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Keywords | 脊髄損傷 / 軸索伸展阻害因子 / アデノシン / p38 MAPK / cyclic AMP |
Research Abstract |
脊髄損傷後の神経軸索再生を促進するための治療法開発研究の一環として、2005年度は(1)in vitroで、培養脊髄アストロサイトからの、epidermal growth factor(EGF)刺激による、軸索伸展阻害因子の一つであるNeurocanの放出メカニズムについての研究、(2)in vivoで、軸索伸展阻害因子抑制効果と軸索伸展を評価するための脊髄損傷モデル(New York University Impactor、脊髄半切、脊髄圧迫モデル)作成を行った。 (1)では、アストロサイトからのEGF刺激によるNeurocan放出は、細胞内cAMPシグナルを増強することにより増加した。また、mitogen activated protein kinase(MAPK)の一つであるp38 MAPK inhibitorにより減少した。もう一つのMAPK signalのERK1/2 inhibitorとadenosineでは抑制効果は認められず、PKC inhibitorは高濃度(10mM)では増強効果をしめしたが、低濃度では逆に抑制効果を示した。軸索伸展阻害因子は、脊髄損傷後数日から約8週まで放出され、2週目がピークと報告されており(脊髄半切モデル)、脊損後にcAMPやp38 MAPK signalをinhibitする薬剤を用いることにより、軸索伸展を促すことができる可能性が示唆された。(第20回日本整形外科基礎学術集会にて発表) (2)では、軸索伸展阻害因子の一つであるchondroitin sulfate proteoglycans(CSPGs)を認識するCS-56 antibodyを使って、上記数種類の脊損後のCSPGsの時間経過を追っている途中である。
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