2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節炎症性疾患における新規サイトカインレセプターWSX-1の役割
Project/Area Number |
17791008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 久方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20363369)
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Keywords | 関節炎 / サイトカイン / マウス |
Research Abstract |
本申請研究の主な目的はWSX-1ノックアウトマウスを用いて、関節リウマチのモデルであるマウスコラーゲン関節炎におけるWSX-1分子の役割を明確にしてゆく。WSX-1ノックアウトマウスはコラーゲン関節炎誘導抵抗性のC57BL/6マウスの背景遺伝子を持つ。そのため、まずコラーゲン関節炎感受性のDBA/1マウスと戻し交配を行った。 現在、戻し交配を7世代まで終了(背景遺伝子99%以上)し、ホモ個体の作成に移っている。十分数のホモ個体が揃い次第、関節炎誘導実験に用いる。 近年コラーゲン関節炎誘導抵抗性のC57BL/6マウスでも、免疫時に用いるアジュバントを強力化することで、関節炎の誘導が可能であるとの報告があり、我々も追試を行うこととした。 C57BL/6マウス背景のWSX-1ノックアウトマウス、およびコントロールとしてのC57BL/6マウスを、II型コラーゲンを通常の5倍量の結核菌死菌を含むフロイントコンプリートアジュバントとともに免疫した。同様の方法で3週間後に追加免疫を行ったところ、初回免疫後約4週からWSX-1ノックアウトマウスにのみ関節炎の発症が見られた。このことから予想と異なり、関節炎の誘導にはWSX-1分子は負の調節因子として働くことが示唆されたが、このC57BL/6マウス背景での関節炎の発症頻度はきわめて低く、更なる免疫学的解析には関節炎感受性DBA/1マウス背景のWSX-1ノックアウトマウスで研究を行う必要があることがあらためて確認された。
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