2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞融合受容体OFRによる破骨細胞多核化機構の解明
Project/Area Number |
17791013
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 健史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70383768)
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Keywords | DC-STAMP / 破骨細胞 / 細胞融合 / マクロファージ巨細胞 |
Research Abstract |
破骨細胞の細胞融合囚子としてDC-STAMP(研究課題名の中で用いているOFRではなく、先に報告されたDC-STAM戸を名称として使用)を同定し、ノックアウトマウスを作製したところ破骨細胞の細胞融合が完全に抑制されていることを見出した。また、DC-STAMPは破骨細胞に限らず他のマクロファージ系の巨細胞である異物巨細胞の細胞融合にも必須であることを明らかとした(J Exp Med 2005)。これらの成果を基に、PC-STAMPは様々なサイトカインの組み合わせにより誘導される様々なマクロファージ巨細胞の細胞融合においても、必須の機能をもつことが明らかとなった(J Bone Miner Res. In press)。しかし、破骨細胞とこれらマクロファージ系巨細胞においては、DC-STAMPの発現制御機構が異なっており、破骨細胞では破骨細胞分化に必須である転写因子c-FosとNFATclがDC-STAMPの発現制御を担っているが、マクロファージ系巨細胞においてはこれらの転写因子はDC-STAMPの発現に関与しなかった。事実、c-Fos欠損マウス由来の細胞や、NFAT抑制剤であるFK506存在下においでは、破骨細胞分化培養系ではDC-STAMPの発現誘導も細胞融合も通とらなかったが、マクロファージ巨細胞誘導系においてはDC-STAMPの発現誘導も細胞融合もともに観察された。c-FosとNEATclの作用の違いはクロマチン免疫沈降法でも確認することができ、破骨細胞においてはc-Fos及びNEATclはDC-STAMPプロモーターへ結合するのに対し、マクロファージ巨細胞においては両転写因子ともDC-STAMPプロモーターへの結合を認めなかった。以上の結果から、DC-STAMPは両転写因子ともDC-STAMPプロモーターへの結合を認めなかった。以上の結果から、DC-STAMPは破骨細胞及びマクロファージ巨細胞の細胞融合に必須であるが、その転写制御は細胞種特異的であることが判明した。
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