2005 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンおよび新規成長ホルモン関連ペプチドによる中枢性骨代謝制御の解明
Project/Area Number |
17791015
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 良正 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70369065)
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Keywords | レプチン / 慢性関節炎 |
Research Abstract |
目的)レプチンが関節炎続発骨代謝異常に関与するか否かを明らかにすること。 対象と方法)雄性8週齢のレプチンノックアウト(ob/ob)マウスと野生型マウスに関節炎誘発カクテルないしリン酸バッファーを静脈内投与、1日後より連日関節炎を評価、21日後に断頭し脾、大腿骨を採取、脾重量の測定、大腿骨骨密度を測定した。ob/obマウスと野生型マウスでは実験開始時に体重差があるので薬剤投与の効果で比較した。 結果)ob/obマウスではカクテル投与後9日で関節炎を発症、野生型マウスでは7日で発症した。また、ob/obマウスでは関節炎点数が実験期間を通じて有意に低かった。脾重量はob/obマウスおよび野生型マウスでカクテル投与により増加していた。大腿骨骨密度はob/obマウスにカクテル投与した群では30.0±0.9mg/cm2、リン酸バッファーを投与した群では31.383±42mg/cm2となっており両群に差がみられず、カクテル投与の影響が見られなかった。一方、野生型マウスではカクテル投与群で30.5±0.9mg/cm2、リン酸バッファー投与群で32.6±0.6mg/cm2となっており両群間に有意差がみられた。大腿骨の骨幹部、遠位部についても解析したが同様の結果であった。 結論)ob/obマウスでは野生型マウスと比較して関節炎誘発カクテルの投与効果が関節および大腿骨で抑制されており、レプチンが関節炎の発症におよび続発する骨代謝異常に関与することが明らかとなった。 18年度の方針) 関節炎誘発カクテルを投与したob/obマウスおよび野生型マウスの脳・下垂体を摘出し、ニューロペプチドの遺伝子発現変化を観察する。
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