2005 Fiscal Year Annual Research Report
一過性全脳虚血後の脳微小循環反応に対する脳低体温療法の影響
Project/Area Number |
17791024
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長瀬 清 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90345786)
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Keywords | 一過性全脳虚血 / 脳微小循環 / 低体温療法 |
Research Abstract |
一過性脳虚血後に脳微小循環に及ぼす影響と低体温モデル作成を検討した。ペントバルビタール麻酔下にて、兎2kg白色家兎を気管挿管後人工呼吸し、側頭骨に頭窓を作成した。続いて生体顕微鏡を用いて脳軟膜上動脈を観察し、血管径を測定した。さらにネックターニケット法で全脳虚血モデルを作成した。虚血時間は6分で頭窓法により完全脳虚血状態が確認された。 本研究を始めるために様々な前提条件を解決する必要があり、先行実験を行った。まず、血圧維持は脳血管径の測定における重要な条件になることから、ネックターニケット後の血圧の安定化を得るために、種々の工夫が必要になった。低体温導入には時間がかかるが、ネックターニケットによる完全脳虚血後の血圧維持を得るための昇圧薬の影響を調査した。昇圧薬自身の脳微小循環への影響は各種報告されているが、低体温時の影響はやはり完全には明らかにされていない。また低体温導入により血圧低下をきたした家兎モデルに併用する昇圧薬の妥当性と必要量を検討した。この点で、低体温時の血管収縮薬の反応は常温時と変化がないことが明らかになった。さらに、モデル作成において低体温導入により出血傾向を認めるため、新たなモデル作製技術の開発も必要になった。この点で動脈血中の二酸化炭素分圧を積極的に低下させることで精度の高い頭窓モデルが作成できることが判明したが、一方でこのモデルの妥当性を検証する必要も生じた。二酸化炭素分圧を一時的に低下させてもその後の反応は可逆的であり維持されることも明らかになった。現在では、頭窓作成という技術に加えて低体温導入によるモデル作成技術が確立できつつある。 次年度では、白色家兎のネックターニケット法による全脳虚血モデルにおける脳低体温導入時の血管反応を引き続きおこなう。
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