2005 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症下の粘膜免疫応答の解析と遺伝子治療による修飾の試み
Project/Area Number |
17791026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大田 典之 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (60379162)
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Keywords | 敗血症 / 細菌毒素 / 制御性T細胞 / IL-12 / 術後合併症 / 疫学調査 |
Research Abstract |
敗血症下の粘膜免疫応答を調査する目的で、特定の細菌の毒素が消化管における炎症に与える影響を検討した。マウス腸炎モデルを使用して、Pertussis toxin(百日咳毒素)(以下PTと略)の投与が、腸炎の病態にどのようなメカニズムで影響するかを調べた。 この腸炎モデルにPT投与を行なうと腸炎の発症が早まりかつ重症化した。消化管粘膜では病変部位で増加する単核球からはTh1型、汎炎症性サイトカインの産生亢進が認められた。また一方でこの腸炎モデルはregulatory T細胞(以下Treg)を移植することで発症の抑制が可能であるが、PT投与を行なうとTregによる腸炎の発症抑制を解除した。次に、PT投与を行なったSCIDマウスの腸粘膜では、対照群と比べIL-12mRNAとIL-12の増加が見られた。そこでPTによる腸炎促進へのIL-12の関与を調べる目的で抗IL-12抗体を、PT処置したSCIDマウスに投与するとPTによる腸炎の発症促進を抑制できた。 以上からPTによる腸炎の発症促進には、PTによるシグナルによりIL-12の発現促進が重要な役割を果たしており、その結果(1)消化管に存在する病原性Th1型リンパ球の増加が起こること、(2)Tregの腸炎抑制作用が減弱される、という二つのメカニズムにより病態が促進することが分かった(投稿中)。 更に集中治療臨床で、粘膜免疫系と関わる合併症の実状を調べるために、大阪府立急性期総合医療センターとの共同研究により、15年間の大動脈弓手術後患者のデータベースを構築した。これは患者の周術期因子を多数含むデータベースである。これを用い術後合併症の予知因子や術後経過への影響を統計学的に探索し、今まで不明であった大動脈瘤術後の合併症の予知因子、術後経過への影響を始めて明らかにした(Journal of Vascular Surgery in press)。
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