2005 Fiscal Year Annual Research Report
経皮酸素飽和度持続モニタリングによる小児睡眠時呼吸障害の非侵襲的診断基準の確立
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17791028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 善一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70278844)
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Keywords | 小児睡眠時呼吸障害 / 診断基準 / overnight pulse oximetry / 扁桃・アデノイド肥大 / 扁桃・アデノイド摘出術 |
Research Abstract |
本年度は、目的[1]および[4](Overnight pulse oximetryによる小児睡眠時呼吸障害の診断基準および扁桃・アデノイド摘出術の適応となる基準値の確立)を主目的として研究を行った。 コントロール(C)群(112名)、疾患(P)群(扁桃・アデノイド摘出術が予定された小児134名)を対象とし、Nellcor社製パルスオキシメータを用いて終夜経皮酸素飽和度(SpO_2)持続モニタリングを行った。データをコンピュータに取り込み、IDI[x,y]/IRI[x,y](incidence of desaturation/re-saturation index : SpO_2値がx秒間でy%以上低下/上昇するイベントの回数[/hr])、TLD[x,y,z](total length of desaturation : SpO_2値がdesaturation時の値以下で継続する状態、またはz%以下の状態の時間の割合[%])を求めた(x=10,y=1,2,3,4,z=94)。P群については術後の各パラメータの改善の有無をχ^2検定にて判定した。C群で基準値以下となる症例の割合をCc[%]、P群で術前基準値以上の症例のうち術後改善する症例の割合をsensitivity(Se)[%]、P群で術前基準値以下の症例のうち術後改善を認めない症例の割合をspecificity(Sp)[%]と定義し、Cc, Se, Spの人数加重平均値が最大となるようにシミュレーションを行った。その結果、1〜2%といった僅かなSpO_2低下をdesaturationと定義することにより、感度・特異性ともに高い小児扁桃・アデノイド摘出術の手術適応基準を作成することができた。これにより、従来の3〜4%のSpO_2低下を有意なdesaturationとする基準で異常値と判定された児の約2倍の児を異常値と診断、扁桃・アデノイド摘出術による睡眠時呼吸障害の改善を予測することが可能となった。以上の結果は、来る第53回日本麻酔科学会学術集会(2006年6月、於神戸市)における一般演題「睡眠時呼吸障害を呈する扁桃・アデノイド肥大患児におけるdesaturationの基準」として発表予定である。
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