2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791040
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岩崎 竜馬 宮崎大学, 医学部, 助手 (50363578)
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Keywords | シナプス / DRG / 神経成長因子 |
Research Abstract |
平成17年度には各脊髄神経節より個々の神経節細胞を摘出し、NGFを添加した培養液の入った試験管内でシナプスを再形成し、その性状をNGF無添加の培養液中で再形成したシナプスと比較する。 方法:1)マウスの後根神経節をトリプシン処理して個々に摘出し、NGFを添加あるいは無添加の培養液3mlの入ったシャーレで24〜28時間培養することでシナプスを形成させる。2)視覚、形態学的にシナプスを観察する。3)それぞれの細胞体に細胞内記録用のガラス電極を挿入しシナプス前後細胞の活動電位もしくは電流を同時に測定する。シナプス前後細胞の膜電位は-60mVに保持する。シナプスの形成率、シナプスの性状(興奮性か抑制性か)、シナプス後電位(PSPs)の大きさを測定、記録する。シナプスが形成されていた場合は、4)さらに、10Hz30秒のテタヌス刺激を加えて、長期シナプス増幅(LTP)あるいは長期シナプス抑制(LTD)の発現を観察する。 方法1)、2)のシナプス再形成については、マウスの後根神経節を摘出し、15分程度のトリプシン処理をした後、実体顕微鏡による鏡見下、神経節細胞を先端径50-150umのマイクロピペットでそれぞれ吸引し採取することに成功した。さらに、採取した個々の神経節細胞を専用培養液の入ったpoly-L-lysinをコーティングした滅菌シャーレでCO2インキュベーター内で1ないし2日間培養しシナプスすることで再形成が観察できた。これは、NGFを添加した群のほうが無添加群と比較して神経軸索の進展度(軸索の長さ)が大きかった。現在は方法3)の電気生理学的測定を進行中である。シナプス前後細胞それぞれに微小電極または、パッチピペットを挿入し、活動電位或いは電流を測定できた。現在は、シナプス形成を示唆するシナプス後電位(EPSP)の観察を試行している。
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