2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた疼痛発現、麻酔作用機序に関する研究
Project/Area Number |
17791057
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
村谷 忠利 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30368097)
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Keywords | ノックアウトマウス / 疼痛発現機序 / 麻酔作用発現機序 |
Research Abstract |
科学研究補助金を申請した際計画していたように現在まで、種々のノックアウトマウス(GABA合成酵素欠損マウス、グルタミン受容体サブユニット欠損マウス。)を用い様々な疼痛モデル(ホルマリンテスト、神経因性疼痛モデル2種類、術後痛モデル)を作成し、野生型マウスと比較し疼痛発現(痛みの強さ、発現速度の程度など)に変化がないかどうか検討している。検討の結果としては、痛みの発現に関してある種のノックアウトマウスにおいて疼痛発現が抑制されている傾向が見られている。しかし、GABA合成酵素欠損マウスは、合成酵素が半減し実験に使用できる状態になるには半年かかり、またGABA合成酵素が欠損しているために全身性の痙攣がマウス自体に発生し死亡してしまう場合もある。このため実験に必要なマウスの数がなかなか揃わず発表するために必要だと考えられるマウスの母数および再現性の確認についての実験結果が十分に揃っていない。以上の理由よりノックアウトマウスを用いた疼痛発現機序に関する検討は、現段階として,そのまま検討を重ね来年には結果を公表する予定である。 一方、麻酔発現機序の解明については、静脈麻酔薬に関して検討を始めている。GABA、グルタミン酸それぞれの受容体に作用すると考えられている薬剤(ペントチアミラール、ケタミン)をそれぞれのノックアウトマウスに腹腔内投与し、麻酔の発現効果について検討している。研究開始当初に予想していたように薬剤とノックアウトマウスの組み合わせの違いにより麻酔効果発現に有為な差を認めている。この検討に関しては、今後ノックアウトマウスに対して、欠損している酵素などを投与し、麻酔効果発現の差が消失することを確認し麻酔発現に関連している受容体およびそのサブユニットに関して整理、結果を公表したいと考えている。
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