2005 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌予見因子としての血清インシュリン様成長因子・PSA関連マーカーの有用性
Project/Area Number |
17791065
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 巧 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00344929)
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Keywords | 前立腺癌 / IGF-I / IGFBP-3 |
Research Abstract |
対象:1992年〜2004年までの間にPSAを用いた前立腺がん検診を2回以上受診した症例のうち、PSA基礎値(初回受診時のPSA値)が4.0ng/ml以下で、その後の検診にてPSAの上昇を契機に前立腺癌が診断された100症例(癌症例群)と、初回受診時の年齢(±1歳)とPSA値(±0.2ng/ml)をマッチさせた非前立腺癌症例200例(対照群)である。対照群の症例抽出の段階で、最終検診受診の時点で見逃された前立腺癌症例のコンタミネーションを避け、さらに、将来にわたり前立腺癌罹患の危険の少ない症例を抽出することが重要である。そのため、年齢とPSA基礎値をマッチさせた症例の中から、最終検診受診時のPSA値が4.0ng/ml以下かつ年較差PSA値(PSAV)が0.2ng/ml/年より低い症例で経過観察の長い症例を抽出した。 方法:PSA基礎値が測定された時点の凍結保存血清(-30℃以下保存)を用い、IGF-1値は(株)エスアールエル社のIGF-I(ソマトメジンC)IRMA「第一」試薬を、IGFBP-3値は(株)コスミック社のIGFBP-3「コスミック」試薬を用い測定した。 結果:IGF-I値の平均値は癌症例群で93.15±47.46ng/ml、対照群で112.83±55.67ng/mlとなり、中央値はそれぞれ96ng/ml、111ng/mlとなった。IGFBP-3値は癌症例群で1.93±0.45μg/ml、対照群で2.00±0.48μg/mlとなり、中央値はそれぞれ2.00μg/ml、1.98μg/mlとなった。これは、IGF-I値が高いほど前立腺癌になる危険性が高く、IGFBP-3値が高いほど前立腺癌になる危険性が低いとする今までの報告に相反する結果であった。なお、現在PSAの基礎値別に前立腺癌の罹患危険のオッズ比を算出するなどの詳細な解析を行っているところである。
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