Research Abstract |
(1)前立腺癌スクリーニングにおける,血清テストステロン値の有用性を研究し,論文発表した。2001年1月から2005年5月までに前立腺生検を施行し,かつ術前血清テストステロン値を測定した前立腺癌疑い症例420例を対象とした。前立腺癌の存否と治療前血清テストステロン値や年齢,治療前血清PSA値,直腸診所見,free/total PSA比,前立腺体積,PSA density(PSAD)との相関について検討した。血清PSA値10ng/ml未満の症例群では,癌症例における治療前血清テストステロン値は4.2±2.6ng/mlで,癌を認めなかった症例の3.6±1.4ng/mlと比較して有意に高かった(p=0.007)。多変量解析でも,治療前血清テストステロン値は独立した有意な生検陽性予測因子であった(p=0.020)。また,Gleason scoreが7以上の症例では7未満の群と比較して,治療前血清テストステロン値が有意に低値であった(p=0.030)。低リスク群においては,治療前血清テストステロン値が生検陽性予測に有用であると考えられた。 (2)直腸診正常な体積の大きい前立腺に対する癌スクリーニングにおける,系統的14箇所生検の有用性について検討,報告した。 (3)cT1c前立腺癌スクリーニングにおける,尿中白血球数とC-関連蛋白(CRP)値の臨床的有用性について検討,報告した。 (4)前立腺癌治療における,ベースラインのhealth-related quality of life(HRQOL)について検討,報告した。 (5)初回前立腺生検患者データを基に,年齢・PSA値・free/total PSA比・直腸診所見・前立腺容積から生検陽性率を予測するノモグラム(CHIBA program)を開発し,報告した。
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