2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳老化に伴う過活動膀胱の機序の解明と予防・治療戦略の確立
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17791069
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
四柳 智嗣 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (30377395)
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Keywords | 老化 / 脳 / 過活動膀胱 |
Research Abstract |
(1)加齢による中枢による排尿コントロールの変化はほとんど研究されていない.そこで破壊病変を伴わない脳の加齢にともなう変化によりおこる排尿機能の変化を検討し脳老化に伴う過活動膀胱発生における脳内メカニズムの解明と予防・治療戦略の確立をめざす. (2)破壊性病変を伴わない脳虚血ラット頻尿モデルの作成.ヒトにおける脳老化現象にはいろいろな変化が認められているが,そのひとつ脳血流低下による変化を検討する.脳血流を約20-50%に低下させた慢性低灌流ラットを作成し,空間認知障害の有無,病理組織学的変化,梗塞巣や運動神経障害と膀胱機能の変化を検討している. (3)脳虚血ラットモデルは,右総頸動脈と右総頸動脈を吻合し,左総頸動脈を狭窄させる独自の手法をおこない,脳破壊をおこさず,虚血による認知機能障害をおこすモデルを開発中である. (4)同モデルラットを用い,膀胱機能の変化を拘束覚醒下に膀胱内圧測定をおこなったり,代謝ケージ内での行動記録より計測している. (5)神経障害の有無,認知機能障害の有無をモリス型水迷路試験などで評価している. (6)今後,脳虚血による,認知障害を有する頻尿モデルラットが確立されれば,その病理的変化,薬理学的作用を検討し,脳機能低下による頻尿の機序解明,治療,予防法の確立する実験を行っていく予定である.
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