2005 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺生検洗浄液を用いた多種遺伝子のプロモーター領域のメチル化の検討
Project/Area Number |
17791073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 雅志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40379178)
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Keywords | 前立腺癌 |
Research Abstract |
前立腺生検時、われわれはシャーレ内の生理食塩水中で生検針から前立腺標本を取り出している。そのシャーレ内の生理食塩水(前立腺生検洗浄液)からDNAを抽出し、Methylation specific PCR(MSP)法を用いて多種遺伝子のプロモーター領域のメチル化の解析を行った。 検討対象遺伝子は、研究報告書に記したこれまで前立腺癌組織中でメチル化の報告がある10種の遺伝子から、予備実験にて解析結果の再現性が確認できなかった理由によりp16,EDNRB,ER1,RARβ2,Cox-2を除き、代わりにMGMT、E-cadherinを追加した計7種の遺伝子(GSTP1、APC、RASSF1A、MDR1、RUNX3、MGMT、E-cadherin)とした。 現在解析の終了した133例中、病理組織検査にて54症例が前立腺癌と診断され、79例は癌と診断されなかった。各遺伝子におけるメチル化を認める症例の割合を両群間で比較したところ、GSTP1とRUNX3は癌と診断された症例群で有意に高かった(P<0.01)。APCも癌と診断された症例群で高い傾向にあった。一方、RASSF1A、MDR1、MGMT、E-cadherinに関しては両群でメチル化の頻度に差を認めなかった。 今後さらに症例を重ねていき、多種遺伝子のメチル化の解析結果が前立腺癌の診断の補助となる可能性に関して検討予定である。 また、本研究の主目的である前立腺生検洗浄液を用いた多種遺伝子のメチル化の解析結果が再生検の結果を予測できるかの検討に関しては、現時点で再生検症例は14例であり、結果を得るにいたっていない。しかし、研究終了時点で約50例が見込まれ、このまま現在の研究を継続することで結論を得ることができると考えている。
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Research Products
(1 results)