2006 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺生検洗浄液を用いた多種遺伝子のプロモーター領域のメチル化の検討
Project/Area Number |
17791073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 雅志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40379178)
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Keywords | 前立腺癌 / メチル化 |
Research Abstract |
前立腺生検時に得られる生検洗浄液中より抽出したDNA中の各種遺伝子のプロモーター領域のメチル化を同定し、前立腺癌疑いに対する再生検の指標としての有用性に関して検討した。 まず、これまで前立腺癌組織においてメチル化が報告されている7種の遺伝子(GSTP1、APC、RASSSF1A、MDR1、RUNX3、MGMT、E-cadherin)に関して生検洗浄液中DNAのメチル化を同定し、生検病理組織結果と比較検討した。 中間報告で示したメチル化の解析結果に再現性が確認できなかったため解析方法を変更し、PSA≦20ng/ml以下で経直腸的前立腺生検を施行された73例の生検洗浄液中DNAの多種遺伝子のメチル化に関して解析を行った。その結果、GSTP1遺伝子のメチル化は癌と診断された症例の96%に認められたが、癌と診断されなかった症例では50%しか認められなかった(p<0.01)。その他の遺伝子のメチル化に関しては両群間で有意差を認めなかった。 次に再生検施行34症例において、初回生検洗浄液中のGSTP1遺伝子のメチル化と再生検の病理結果を比較検討した。34例中19例(56%)にGSTP1遺伝子のメチル化を認めた。GSTP1遺伝子のメチル化陽性群と陰性群の問に、年齢、PSA値、F/T比、PSA velocityに関して有意差を認めなかった。メチル化陽性19例中10例が再生検で前立腺癌と診断された。一方、メチル化陰性15例中、再生検で前立腺癌と診断されたのは2例のみであった(p=0.02)。sensitivityは83%、specificityは59%、positive predictive valueは53%、negative predictive valueは87%であった。 生検洗浄液を用いたGSTP1遺伝子のプロモーター領域のメチル化は、再生検に対する新たな指標として応用が期待できると考えられた。
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Research Products
(1 results)