2005 Fiscal Year Annual Research Report
精巣に特異的に発現する卵活性化因子PLCζの遺伝子導入法を用いた機能解析
Project/Area Number |
17791083
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
窪田 裕樹 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10347403)
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Keywords | エレクトロポレーション / 遺伝子導入 / 精巣 / PLC zeta / EYFP |
Research Abstract |
マウス精巣のcDNAライブラリから目的とするPLCζ遺伝子の全長を、既知のプライマーを用いたPCR法によりクローニングすることに成功したので、これをTOPOベクターにサブクローニングしておいた。 続いて蛍光蛋白との融合蛋白発現ベクターの構築に移行したが、できるだけ効率よく外来遺伝子を発現させるため、蛍光蛋白の末端にミトコンドリアへの移行シグナルを付けたEYFP-mitoベクターを用いた。このベクターを用いる際の遺伝子導入条件を設定するため、マウス精巣にエレクトロポレーション法によりEYFP-mitoベクターを導入して、EYFP蛋白の発現につき検討した。 5週齢のICRマウスを用いて、3μg/mlに調整したベクター溶液を精巣網から逆行性に注入した後に電気刺激を行い、一定の期間の後(20日,40日,60日)にEYFP蛋白の発現を観察した結果、マウス精巣内の精細胞に安定してEYFP蛋白が発現するための最適な条件は50V,50msec,8回の電気刺激であった。この条件下では精巣上体精子の中に、EYFP蛋白を発現する精子がおおよそ10%の割合で認められ、IVFに供するのに十分な数の精子が回収できるものと思われた。 そこでマウスPLCζ遺伝子をEYFP-mitoベクターにサブクローニングして、目的とするPLCζとEYFPとの融合蛋白が正しく発現されることを、大腸菌を用いて蛋白合成を行わせることで確認しておいた。 今後、このベクターを用いてPLCζとEYFPとの融合蛋白をマウス精子に発現させ、卵活性化のメカニズムの解析に利用する予定である。
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