2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換えマウスを用いた尿路結石形成に関わるオステオポンチン制御部位と機能解析
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17791084
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
秋田 英俊 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (10381782)
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Keywords | 尿路結石 / シュウ酸カルシウム / グリオキシル酸 / モデルマウス / オステオポンチン / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
オステオポンチン(OPN)遺伝子組換えマウスの実験のコントロールとして,正常マウスに対しシュウ酸前駆物質であるグリオキシル酸を腹腔内投与することにより腎結石形成を促すことが出来ることを確認した。複数回の投与実験により、モデルマウスとして安定した結石形成を認める条件を60〜100mg/kgの連日腹腔内投与と決定し,投与開始3日目より腎結石が形成されることを確認した。この結石形成は、Pizzolato染色および偏光顕微鏡・電子顕微鏡でも確認された。さらに結石成分分析ではシュウ酸カルシウム1水和物と、ヒト尿路結石のモデルとなりうることも確認した。またこの投与実験においては、OPNは投与3日目に発現増大しており,免疫染色でも結石内にOPNが含まれていることを確認した(平成18年3月論文投稿中)。 マウス胎生幹細胞(ES細胞)のゲノムOPN遺伝子のexon4-7をNeomycin耐性遺伝子に組換え、作成されたOPNノックアウトマウスを導入し、繁殖に成功した。OPNノックアウトマウスは発育や生殖に異常は無く,血液・尿化学データ上もwild-type(正常マウス)と差を認めなかった。結石形成モデルマウスの手法で、グリオキシル酸を連日腹腔内投与したところ,腎結晶形成を確認し、X線回折分析による結晶成分は、モデルマウスと同様にシュウ酸カルシウム1水和物であった。しかし偏光顕微鏡による観察で、結晶構造はモデルマウスと大きく異なった。 またOPNプロモータ領域の3種類(-5kbp,-3kbp,-1.5kbp)にGFP発現遺伝子を結合させたtrans-geneを作成し,マウス受精卵に導入してトランスジェニックマウスを作成・繁殖した。同様にグリオキシル酸を投与し,腎組織におけるGFPの発現より,機能したプロモーター領域を同定しつつある。
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