2005 Fiscal Year Annual Research Report
PTEN transgenic mouseを用いた前立腺癌治療モデルの確立
Project/Area Number |
17791088
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
平尾 周也 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70382314)
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Keywords | 前立腺癌 / gene conditional knock-out mouse / PTEN癌抑制遺伝子 / PSA |
Research Abstract |
マウス前立腺特異的PTEN発現欠損モデルの作成 マウス前立腺において特異的にPTEN遺伝子の発現を抑制するtransgenic mouseの系を用い、PTEN癌抑遺伝子の前立腺癌発生機序における関わりについて検討する。今回の申請では、conditional gene targetingの手法でPTEN flox mouseとPSA-Cre mouseの組み合わせにより前立腺での特異的PTEN欠如による前立腺癌発生を検討し、さらに種々の前立腺癌治療やchemoprevention studyなどのモデルとしての可能性を検討する。PTEN flox mouseとPSA-Cre mouseの交配により、雄マウス前立腺においてdysplasia, low grade prostatic intraepithelial neoplasm(PIN),high grade PIN, carcinoma、転移といった多段階発癌が生後6週から10週の間に観察される。これら雄マウスを生後より1週毎にsacrificeし、前立腺をはじめ、その他の泌尿器臓器、皮膚やその他の臓器を癌化の観点からH-E染色で観察した。その結果、9-10週目からPINが観察され、さらに16週以降からlow gradeの前立腺癌発生を認めた。また、PTEN発現欠損とこれに伴うリン酸化AktおよびBcl-2の強発現を免疫組織学染色により確認した。PTEN欠損による前立腺癌発生の頻度は今のところ、80-90%であった。今後、さらに詳細に多段階発癌を経時的にマッチさせる。Nitrosamineなど前立腺に発癌を促す薬剤を用いて、発癌までの期間を短期に調節できるようなモデルの開発の必要性を感じた。 血清PSAによる前立腺癌モニタリングシステムの検討 マウスにはPSAが存在しないことため、PSP94なるPSA family分子のElisaシステムに切り替える必要があり、custom madeのPSA94 Elisaを作成中である。
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