2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子AP-2による卵巣癌の抗癌剤耐性克服メカニズム及び遺伝子治療への展開
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17791115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
炭竈 誠二 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (50378121)
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Keywords | AP-2α / SKOV3 / 免疫染色 |
Research Abstract |
(1)卵巣癌細胞における転写因子AP-2β・AP-2γの機能に関する検討 AP-2 familyに属する他の転写因子AP-2β・AP-2γについてAP-2αと同様に癌の増殖・浸潤を抑制する可能性がある。これを検討するため、卵巣癌細胞株SKOV3にAP-2β・AP-2γ遺伝子発現ベクターを導入しようと試みた。しかしながらAP-2αのようには遺伝子の過剰発現は観察されなかった。 (2)子宮体癌症例の臨床検体における転写因子AP-2α 実際の子宮体癌症例において、免疫組織染色によりAP-2αの発現の頻度・強度を調べ組織型・病期進行度・grade・予後との関連につき検討した。検体は子宮体癌39症例で、組織型はすべて類内膜腺癌でありgrade1が15症例、grade2が11症例、grade3が13症例であった。これらパラフィンブロック標本を脱パラ後、95℃15分間の加熱にて抗原賦活化し抗AP-2α抗体を一次抗体として免疫組織染色を行った。その標本におけるAP-2αの発現の程度を0〜3まで4段階にスコア化して評価した。結果、grade1症例においてはスコア0:0例(0%)、スコア1:5例(33%)、スコア2:5例(33%)、スコア3:5例(33%)で平均スコア2.0、grade2症例においてはスコア0:1例(9%)、スコア1:6例(54%)、スコア2:4例(36%)、スコア3:0例(0%)で平均スコア1.27、grade3症例においてはスコア0:2例(15%)、スコア1:6例(46%)、スコア2:3例(23%)、スコア3:2例(15%)で平均スコア1.38であった。有意差は得られなかったが、gradeの低い症例のほうがAP-2α発現の高い傾向が得られた。
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