2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子AP-2による卵巣癌の抗癌剤耐性克服メカニズム及び遺伝子治療への展開
Project/Area Number |
17791115
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
炭竈 誠二 Nagoya University, 医学部・附属病院, 助教 (50378121)
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Keywords | AP-2α / SKOV 3 / taxol |
Research Abstract |
・AP-2α遺伝子導入卵巣癌細胞における抗癌剤感受性の変化に関する検討 AP-2αを強制発現させた卵巣癌細胞株SKOV3においてタキソール・カルボプラチン・シスプラチン・ドキソルビシン・5FUへの感受性がそれぞれ1.26〜2.05倍に亢進していた。その機序として薬剤耐性受容体の発現変化の有無を検討した。ABCB1、ABCC1、ABCC2、ABCG2各受容体についてrealtime RT-PCRを行ったところ、AP-2α強制発現株において各受容体発現は0.92倍、1.09倍、1.12倍、0.89倍、1.21倍であり、有意な変化を示さなかった。また、SKOV3親株とmock株、AP-2α強制発現株においてp53のリン酸化につきWestern blottingにて検討したところ、AP-2α強制発現株においてリン酸化の亢進を認めた。 実験動物を用いたAP-2α遺伝子導入卵巣癌細胞株の病態と抗癌剤感受性 ・AP-2α遺伝子導入細胞と親株をヌードマウスの大腿部皮下に接種し、生じる皮下腫瘍の大きさを経時的に計測した。接種3週後における腫瘍サイズは親株において平均80.5mm^3であったのに対しAP-2遺伝子導入細胞においては平均48.6mm^3であった。また、マウスの腹腔内にtaxo1を200μg投与した場合の腫瘍サイズは前者にて平均54.4mm^3であったのに対し後者では8.lmm^3と著明な増殖抑制効果を得た。これらより、AP-2α遺伝子導入によりin vivoにおいても腫瘍増殖抑制効果を、かつtaxolに対する感受性亢進効果を確認した。
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