2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791116
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 潤 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80397736)
|
Keywords | 卵巣癌 / 薬剤耐性 / JNK / AP-1 / 転写因子 / シスプラチン / c-Jun / ATF2 |
Research Abstract |
卵巣癌における抗癌剤耐性に関わる制御遺伝子の同定解析と耐性の克服と感受性の獲得について、抗癌剤耐性経路に寄与している細胞内情報伝達物質JNK-AP1経路の関与についてまず検討を始めた。ヒト卵巣癌細胞株でシスプラチン薬剤耐性株Caov-3細胞および感受性株A2780細胞を培養し使用した。シスプラチン投与によりこのヒト卵巣癌細胞株においてJNKが活性化することをJNK activity assayにて確認した。次にJNKの下流にある転写因子AP-1が、活性化するかどうかをc-JunまたはATF2のリン酸化抗体を用い、WesternBlotting法にて検討し、シスプラチンによる細胞内でのDNA障害によってcJunおよびATF2が時間、濃度依存性にリン酸化することが確認された。また、このリン酸化が実際に転写活性を促進しているのかどうかを検討するため、AP-1結合領域を多数含むLuciferase reporter plasmidを用い、AP-1活性Luciferase assayを行い、シスプラチンによるDNA障害がAP-1転写活性を促進していることが確認された。また、このJNK-AP-1活性をJNKおよびAP-1のInhibitorにより抑制すると細胞株の耐性性が解除され、薬剤感受性になった。これらのことを10-11月に行われた婦人科分子内分泌懇話会および、日本絨毛性疾患研究会のシンポジウムにて発表した。また、今後はAP-1転写因子が活性化して実際に結合している遺伝子を、ATF2またはcJunのリン酸化特異的抗体を用いクロマチン免疫沈降法にて抽出し、更に解析を進める予定である。
|
Research Products
(2 results)