2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘプシンにおける子宮頸癌の抗腫瘍抑制効果かつ分子作用機序の検討
Project/Area Number |
17791119
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 圭一郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90359886)
|
Keywords | ヘプシン / 子宮体癌 / 細胞周期 / アポトーシス / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
ヘプシンはセリンプロテアーゼの1種類であり、正常肝臓・腎臓に多く存在し、前立腺、肺においても若干ではあるが含まれている1.85キロダルトンのmRNAである。また我々の専門分野である婦人科では1997年谷本らはCancer researchで正常卵巣は発現せず、境界型悪性、卵巣癌になると発現することを発表。また2001年にもNatureで前立腺癌でも同様に癌化することでヘプシンが発現することが述べられる。しかしながらそのヘプシンにおける機能等のいまだ詳細はわかっておらず、そこで我々は卵巣癌細胞株を用いて、hepsin cDNAの遺伝子導入を行い、p53を介し、p53のdown-streamであるPuma,Noxa,p53AIP1,Bax,Bak,p53R2に作用し、アポトーシスに関連しているCaspase-3、6、7に働き、in vitroだけでなく、in vivoにおいても癌抑制することを突き止めた。 そこで今回、研究課題として比較的メカニズムが解明されている子宮頚癌について研究を行なったが数個の子宮頚癌細胞株を用いるも、ヘプシンcDNAで遺伝子導入細胞株樹立できず、やむなく子宮頚癌細胞株から子宮体癌細胞株に変更を行った。 子宮体癌は近年増加傾向である悪性腫瘍の1つであり、子宮体癌株であるIshikawa細胞株を用い、ヘプシンの遺伝子導入を試み、ヘプシンの機能解明を行った。その結果、Ishikawa/hepsin-10・Ishikawa/hepsin-12の2つのヘプシン導入細胞株を樹立。その機序とし、controlと比較し、15%から48-65%の3-4倍のG2-M期でのGrowth Arrestを認めるとともに、p53に作用、Bak、Bcl-XL、Bcl-2を介し、Caspase-3のアポトーシスにも働き、in vitro、in vivoにおいても癌抑制が認められ、現在投稿中である。
|