2005 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚癌に対する光アンチセンス法を用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
17791125
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山吉 麻子 九州大学, 先導物質化学研究所, 学術研究員 (70380532)
|
Keywords | 遺伝子治療 / アンチセンス / HPV / ソラレン / 子宮頸ガン / 光線治療 / アポトーシス / p53 |
Research Abstract |
ヒト子宮頚癌組織ではその90%以上でヒトパピローマウイルス(HPV)のE6/E7遺伝子領域が保存されており、細胞増殖に深く関与していることが報告されている。E7蛋白はpRB蛋白と複合体を形成することにより、転写因子であるE2Fを遊離し、細胞周期関連遺伝子群の発現を誘導するとともにp53蛋白の安定化に関与する。一方、E6蛋白は、E7蛋白の存在下において安定化されたp53蛋白と結合し分解する。よって、E7蛋白存在下においてE6蛋白の発現を選択的に制御する手段を開発することは、子宮頚癌細胞にE7/E2Fにより誘導されるp53安定化シグナルを再構築することになると予測される。本研究では、子宮頸癌細胞で不活化しているp53安定化シグナルを癌細胞に再構築することにより、アポトーシスの誘導を目的としたゲノム創薬を行うことを目的とした。光架橋性分子であるソラレンを核酸の5'水酸基に導入したアンチセンスオリゴDNA(光架橋型AS)を作成し、HPV E6癌遺伝子の選択的発現抑制手段の開発を行った。 HPV18および16型E6を標的とした光架橋型ASをHPV陽性子宮頚癌細胞株に投与し、紫外線照射を行ったところ、E6蛋白発現の選択的抑制に成功した。その結果、p53シグナルが安定化され、アポトーシスが誘導されることも確認された。また、ごく低濃度の抗ガン剤(シスプラチンなど)を併用することで、HPV E6光架橋型ASにより安定化したp53蛋白がリン酸化を受けて活性化され、細胞増殖抑制効果が倍増することが明らかとなった。 一方で、光架橋性基をアンチセンス核酸の糖環2'位に導入した新規アンチセンス分子(2'AS)の合成を行った。2'ASは1塩基変異をも認識して架橋する新しいタイプの核酸誘導体であることが明らかとなった。今後、SNPが原因となる疾患に対しても応用が期待された。
|
-
-
[Journal Article] Discrimination of single nucleotide polymorphisms by strand exchange assay using partially double-stranded probes2005
Author(s)
Hirata, K., Ishii, D., Kano, A., Yamayoshi, A., Akaike, T., Maruyama, A.
-
Journal Title
Nucleic Acids Symposium Series 49
Pages: 223-224
-
-
[Journal Article] The molecular structure effect of cationic comb-type copolymers on nucleic acid chaperone activity2005
Author(s)
Choi, S.W., Takada, K., Mochida, J., Yamayoshi, A., Kano, A., Akaike, T., Maruyama, A.
-
Journal Title
Nucleic Acids Symposium Series 4
Pages: 329-330
-