2005 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的眼球運動検査による脊髄小脳変性症の平衡機能評価
Project/Area Number |
17791149
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武市 紀人 北海道大学, 病院, 医員 (40396289)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / 生理学 |
Research Abstract |
遺伝子学的検査によって診断されたSpinocerebellar ataxia type 6(以後SCA6)患者7名を対象にage-matchingした健常人との比較検討を行っている。まず、臨床学的に失調の重症度を国際分類であるICARSに基づいて判定した。その後、当科外来平衡機能検査室においてsaccade, smooth pursuitの測定および空間速度認知に関する課題を2つ計測している。解析はsaccade, smooth pursuitに関しては利得の平均を健常群と比較、速度認知課題は速度の短期記憶および再現を主題としたものを様々な異なる速度を用いて、分散の差を比較検討した。現在までの解析の結果では、臨床学的重症度とsaccade, smooth pursuitの利得の間に相関を認めるものの、それらと空間速度認知の間に明らかな相関は認めていない。このことは、空間速度認知は他の症状と異なる病態機序によって起こっている可能性を示唆している。また、saccadeの利得では健常群と差はないが、smooth pursuitでは有意差を認めた。空間速度認知課題では、いずれの課題においても空間上5°/sの速度を境界にして健常群との有意差を認める傾向にあり、5°/s以下の速度では健常群と有意差を認めず、それ以上では有意差を認める結果であった。今後さらに、この速度に近い速度での計測を重ねるとともに、眼球運動障害の影響を見るために、固視時と非固視時の比較検討する予定である。
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Research Products
(1 results)