2005 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌における新たな治療標的としてのインテグリン細胞接着分子機能の解明
Project/Area Number |
17791152
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丸屋 信一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90396408)
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Keywords | インテグリン / 頭頸部扁平上皮癌 / simvastatin |
Research Abstract |
インテグリンは細胞-細胞外基質間の接着を媒介する分子で、癌の増殖、浸潤に大きな役割を果たしていることが知られている。われわれはインテグリンの発現が頭頸部扁平上皮癌の重要な治療標的の1つであると推察している。本年度は3-hydroxy-3-methylglutaryl CoA(HMG-CoA)還元酵素阻害薬で高コレステロール血症治療薬として広く用いられているsimvastatinのインテグリン発現抑制作用を介した増殖・浸潤抑制効果とその分子メカニズムについて検討を行った。in vitroでsimvastatinを頭頸部扁平上皮癌細胞(Tu167細胞及びJMAR細胞)に作用させた場合、細胞接着性の喪失に起因した細胞形態の変化を来たし、Matrigel invasion assayによって細胞外基質への浸潤能、運動能の抑制がsimvastatinによりもたらされることがわかった。またフローサイトメトリー解析ではsimvastatinによりG1期での細胞周期停止を介して細胞増殖を抑制することが明らかとなった。RT-PCR、Western blot解析により、これらの抗腫瘍効果はβ1インテグリンの発現低下及びERKシグナルの不活化、p21、p27といった癌抑制遺伝子の活性化と関連していることが示された。さらにcDNAマイクロアレイ解析を行い、simvastatinがアポトーシス、細胞接着、DNA複製などに関連する数多くの分子の発現変化に影響を及ぼしていることを確認した。これらの結果からsimvastatinがインテグリンを介した細胞-細胞外基質間の接着を有意に阻害するとともに癌細胞の増殖を抑制していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)