2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい検出法を用いたダニアレルギー性鼻炎患者末梢血の抗原特異的T細胞の研究
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17791166
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松岡 伴和 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30313810)
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Keywords | 免疫学 / アレルギー性鼻炎 / T細胞 |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎において、T細胞、特にTh2細胞が重要な役割を示すが、実際の臨床の指標としては、RASTをはじめとする抗原特異的IgEの検出など、B細胞を中心とした検査しかない。一方、抗原特異的T細胞の評価法はあるが、長時間の培養時間がかかるものがほとんどで再現性に乏しい。そこで、可及的に短時間の培養で直接抗原特異的T細胞の検出ができるような新たな検査法を検討してきた。そこで、樹状細胞を体外で誘導し、タンパクレベルのダニ抗原(Der f1,Der f2)をプロセッシングさせ、抗原提示させる方法を用いてIFN-γ・IL-4・IL-5・IL-10といったサイトカインを産生する抗原特異的メモリーT細胞の頻度についてELISPOT法を用いて検討した。 3年以上特異的免疫療法を継続し著効を示している「特異的免疫療法群」6例と、未治療で実際にアレルギー性鼻炎症状があり皮内テスト陽性で誘発テストも陽性のハウスダスト・ダニアレルギー性鼻炎「有症状者群」8例と、皮内テストは陽性だが誘発テストは陰性で症状のない「無症状者群」10例の3群を比較検討した。Th2サイトカインであるIL-5産生メモリーT細胞の頻度は、「特異的免疫療法群」において「有症状者群」や「無症状者群」と比較して有意に低値であった。IL-4産生メモリーT細胞の頻度は「特異的免疫療法群」で「有症状者群」に比べ有意に低値であった。IL-10産生メモリーT細胞の頻度に明らかな有意差は見られなかった。 特異的免疫療法を長時間行っている患者では、抗原特異的IL-4・IL-5産生メモリーT細胞の頻度の低下が認められた。特異免疫療法の機序のひとつとして考えられた。
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