2005 Fiscal Year Annual Research Report
Smad7遺伝子の蝸牛への導入による細菌性髄膜炎後の蝸牛骨化の予防
Project/Area Number |
17791185
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
増田 聖子 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (70346998)
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Keywords | 細菌性髄膜炎 / 感音性難聴 / 内耳障害 |
Research Abstract |
本年度はまず髄膜炎モデルラットの作製を試みた。雌Wistar系ラット(8週齢)に対してケタミン・キシラジンの腹腔内投与により麻酔を行い、頭部を脳定位固定装置に固定した。27G針にてE.coli由来のLPS200μgを大槽内に注入して髄膜炎を惹起する方法を採用した。当初は肺炎球菌を注入して髄膜炎を発症させる予定であったが、実際に行ってみると症状の程度が一定せず、死亡する動物も多かったため、LPS投与に変更した。髄膜炎発症はLPS投与6〜24時間後に髄液を少量採取し、白血球数の増加で確認した。コントロールとして生理食塩水を大槽内に注入したラットでは白血球は同定されなかった。またLPS注入ラットは生理食塩水を注入したコントロール動物と異なり、処置後明らかな全身症状を呈した。 モデル動物の聴力域値測定は聴性脳幹反応検査を用いた。ケタミン・キシラジンの腹腔内投与で麻酔後、tone burstで4.8.12.20kHzの域値測定を行ったが、聴力閾値に個体差があり、データのばらつきがみられ、現在も実験続行中である。 蝸牛線維化の確認はLPS注入後7,14,28日目蝸牛軸断面のJB4包埋切片を作製し、HE染色を行った。外リンパ腔に線維化の所見が確認できたため、現在は数を増やして、さらに検討を行っている。 Smad7遺伝子導入アデノウイルスベクター作製については、現在マウスSmad7遺伝子全長クローンを入手した段階である。今後ベクターへの組み込みを行っていく。
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