2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞及び腫瘍細胞による融合細胞を用いた腫瘍特異的免疫療法の開発
Project/Area Number |
17791204
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 康広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40266648)
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Keywords | 免疫学 / 癌 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
今年度私は樹状細胞および腫瘍細胞による融合細胞を用いた際の免疫誘導能に関し、各種MHCノックアウトマウスより融合細胞を作製し、抗腫瘍効果に及ぼすMHC拘束性の影響について検討した。まず、正常なC57BL/6マウスおよびC57BL/6マウスを由来とするMHCノックアウトマウスの骨髄より樹状細胞を採取した。そして、異系であるDBA/2マウス由来の扁平上皮癌細胞株(KLN205)に腫瘍抗原としてMUC1を遺伝子導入した。更に、採取した樹状細胞とMUC1を遺伝子導入したKLN205細胞から融合細胞を作製した。そして、正常なC57BL/6マウス、MHCクラスIノックアウトマウス(MHC-I^<-/->、MHCクラスIIノックアウトマウス(MHC-II^<-/->)およびMHCクラスI&IIノックアウトマウス(MHC-I^<-/->&II^<-/->)の樹状細胞より作製された融合細胞を用いてC57BL/6マウスに免疫を行った。それぞれ異なる樹状細胞で免疫されたC57BL/6マウスからリンパ節を採取し、T細胞を分離したのちMUC1で刺激を行った。そして、免疫能が誘導されたT細胞からIL-2,IFN-γをはじめとするサイトカインの分泌をELISAにて定量を試みた。その結果、MHC-II^<-/->およびMHC-I^<-/->&II^<-/->由来の融合細胞で免疫されたT細胞からのIL-2,やIFN-γの産生はMHC-I^<-/->および正常なC57BL/6マウス由来の融合細胞で免疫されたT細胞と比較して、極端に少ないことが判明した。これらの結果は融合細胞による腫瘍抗原特異的な免疫誘導にはMHCクラスIIの重要性が示唆される結果となった。今後、免疫誘導能としてのMixed Lymphocyte Reactionや抗腫瘍効果としてのCytotoxic lymphocyte assayを行い、更に検討してゆく予定である。
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