2006 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌におけるコネキシンの発現の検討と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
17791213
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
小澤 宏之 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚平衡覚研究部, 研究員 (30327621)
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Keywords | 頭頸部癌 / コネキシン / 免疫染色 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
コネキシン(Cx)はギャップジャンクション蛋白であり、いままでに20種類のファミリー蛋白が確認され、生体内の組織ごとに発現しているCxの種類が異なる。近年は様々な腫瘍細胞へCx遺伝子を導入することで増殖が抑制されることが報告されている。今回我々は、頭頸部癌組織のCx26およびCx30の発現について免疫染色法で検討を行った。癌周囲の正常粘膜ではCx26は粘膜の全層で発現が認められた。Cx30は基底層では殆んど発現がなく有棘層に強い発現を認めた。癌組織と正常粘膜とを比較すると、Cx26では発現量の差は認めなかったが、Cx30では癌組織でのCx30の発現が低下していた。癌細胞内のコネキシンの分布は、Cx26では細胞質に発現した。Cx30は細胞膜に発現する傾向があったが、特に舌癌ではCx30を細胞質に強く発現する細胞が散在していた。 続いて免疫染色の結果をふまえてCx30を強制発現するプラスミドベクター(Full)を作成した。細胞内での局在を判定するためGFP蛋白を共発現するように構築した。コントロールベクターとしてGFPのみ発現するベクター(EM)、Cx30 deletion of C-terminal(DelC),Cx30 C-terminal(CT)を発現するベクターを作成した。各々のプラスミドベクターを頭頸部癌細胞株であるHSC-4に遺伝子導入し、強制発現された蛋白の局在を検討した。EMを導入した細胞株では核が凝縮し細胞全体に強く発現したが、Fullでは主に細胞膜に局在し、DelCでは核周囲〜細胞質に発現した。CTでは細胞質に淡く発現する細胞と核凝縮を伴い細胞全体に強く発現する細胞が混在した。増殖率については細胞周期関連蛋白であるKi-67(MIB-1)との二重染色を行いMIB-1 indexで評価したところEMと比較しFullおよびDelCで増殖能が亢進する傾向があった。
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Research Products
(1 results)