2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素上皮細胞のアポトーシスにおけるBitlシグナルの解明
Project/Area Number |
17791217
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 江里子 東北大学, 先進医工学研究機構, 技術補佐員 (70375210)
|
Keywords | アポトーシス / ミトコンドリア / 酸化ストレス / 網膜色素上皮細胞 |
Research Abstract |
Bit1はミトコンドリアにおいて新規に発見された蛋白であり、アポトーシス時には細胞質に移動し、amino enhancer of split protein (AES)と結合する。この結合がアポトーシス誘導の前駆体のひとつであることが示されている。眼窩領域においては、Bit1介在についての報告が一報もない。Bit1は、近年報告された蛋白である為に、関連抗体が皆無である。そこで、本年度はBit1、および関連蛋白であるAESに対する抗体作製を行った。ラット脳または、ヒト網膜色素上皮の樹立細胞であるARPE細胞からmRNAを抽出し、cDNAを作製した。RT-PCR法によりAES、Bit1に対するプライマーを用いて、遺伝子の増幅を行った。得られたDNAをヒスチジンタグとの融合蛋白を作らせるベクターに導入した。AES、Bit1各DNA配列は、シークエンスにより確認した。Bit1はアポトーシス関連蛋白であり、大腸菌における蛋白産生においては、大腸菌自身への毒性が懸念された。そこで、アラビノース誘導蛋白発現システムを用いて、蛋白を発現させることとした。得られた大腸菌産生蛋白のうち、ヒスチジン標識Bit1、AESを各々ヒスチジン抗体カラム精製により得た。現在、ウサギにおいて免疫を行い、抗体を作成中である。 Bit1はARPE細胞で発現が確認され、RPE細胞のアポトーシスになんらかの役割を持っていると推察された。現在、RPE細胞におけるアポトーシス誘導条件を、酸化ストレス下において検討中である。本年度作成した抗体を用いて、RPE細胞におけるBit1-AES発現と局在と、アポトーシス誘導時の局在を明らかにしていく予定である。
|