2005 Fiscal Year Annual Research Report
Th1関連ケモカインCXCR3及びCCR5の実験的自己免疫ぶどう膜炎における役割
Project/Area Number |
17791224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蕪城 俊克 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70343126)
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Keywords | ぶどう膜炎 / 動物モデル / 実験的自己免疫ぶどう膜炎 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / CXCR3 / CCR5 / Th1細胞 |
Research Abstract |
目的:ぶどう膜炎の動物モデルであるマウス実験的自己免疫ぶどう膜炎(EAU)おいて、Th1細胞が眼炎症の惹起に中心的な役割を果たしている。本研究は、マウスEAUにおける、Th1関連ケモカイン受容体(CXCR3,CCR5)の役割を明らかにすることを目的として、CCR5とCXCR3をともに欠失しているダブルノックアウトマウス(DKO)を用いて検討した。 方法:ヒトIRBPペプチドを正常C57BL/6マウス、およびDKOマウスに免疫してEAUを惹起させ、免疫後21日目に眼底を観察してEAUの重症度を臨床的に評価し、22日目に眼球摘出して病理組織学的にも検討した。同時にマウスの頚部リンパ節と脾臓よりリンパ球を採取し、ペプチド刺激下で培養し、増殖反応の強さと、産生するサイトカイン濃度を調べた。 結果:DKOマウス(n=30)、正常B6マウス(n=31)の免疫後21日目の臨床的EAUスコアは、それぞれ2.0±1.8、0.9±1.3であり、DKOマウスで有意に高度であった(p<0.05)。病理学的にもDKOマウスでより強いEAUが発症しており、眼内への顆粒球の浸潤が多い事が観察された。リンパ球増殖試験では、脾臓・頚部リンパ節細胞共に、DKOマウスでより強い増殖が見られた。サイトカイン産生試験では、脾臓・頚部リンパ節細胞におけるIFN-γの産生がDKOマウスでWTより有意に亢進しており、脾臓リンパ球におけるIL-6産生もDKOマウスで有意に亢進していた。 結論:ケモカイン受容体CXCR3、CCR5両者を阻害すると、眼内へのTh1リンパ球の遊走が阻害されるために、頚部リンパ節と脾臓でIRBPペプチド感作リンパ球が増えるている事が考えられた。また、脾細胞のIL-6産生が亢進することで、主に顆粒球系細胞による代償機転が働き、顆粒球浸潤の増加によって、かえってより強い炎症が起こる可能性が考えられた。
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