2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791228
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村木 早苗 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90335175)
|
Keywords | 杆体一色型色覚 / CNGA3 / CNGB3 |
Research Abstract |
これまで日本人杆体一色型色覚4例を解析した。今回は新たな2例(RM5とRM6)についてCNGA3、CNGB3両遺伝子の変異をエキソンとエキソン/イントロン境界について探索した。 RM5においてはCNGA3のエキソン7にミスセンス変異(Leu633Pro、CTG→CCG、ホモ)を見出した。ロイシンジッパーを構成しているロイシン残基の1つがプロリン残基に変わったものであり、機能を持ったチャネルができあがらないものと推定された。正常CNGA3のcDNAにmycタグ、変異を持ったCNGA3のcDNAにFLAGタグをつけ、免疫沈降法にてサブユニットの会合ができるかどうかを解析しているところである。同時に、これが多型でないことを、正常色覚者のCNGA3遺伝子について調べている。また、パッチクランプ法を用いた解析も予定している。 RM6ではCNGA3のエキソン2bにミスセンス変異(Metl12Ile、ATG→ATA、ホモ)を見出した。同変異はRM5にもあり(これもホモ)、多型の可能性が考えられたが、今のところ正常色覚者で同変異は見出していない。 エキソン2bの生理的意義が不明のため、CNGチャネルを発現しているヒト網膜芽細胞腫WERI-Rb1細胞でCNGA3のmRNAをRT-PCR法で調べたところ、エキソンの使われ方に3通りあることが判明した。すなわち0-1-2-3-4-5-6-7、0-1-2-3-5-6-7、0-1-2-2b-3-5-6-7であり、エキソン2bが使われたときは必ずエキソン4が抜けていた。 RM6で見出したエキソン2bの変異がチャネル機能に何らかの影響を持つとしても、他の2種のmRNA分子種から作られるものが正常であれば杆体一色型色覚に結びつかないはずである。 現在、上記3種のmRNAに対応したcDNAをそれぞれ発現ベクターに繋ぎ終えたところである。エキソン4が抜けること、および、エキソン2bが入りエキソン4が抜けること、によるチャネル機能の差異をパッチクランプ法で探る予定である。 なお、CNGB3遺伝子に関しては、両例とも変異は認められなかった。
|
Research Products
(1 results)