2005 Fiscal Year Annual Research Report
Retinal fascin遺伝子変異による網膜色素変性の発症機序の解明
Project/Area Number |
17791229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西信 良嗣 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30379193)
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Keywords | 遺伝子 / 網膜色素変性 / 神経科学 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に従い研究を遂行した。retinal fascinに対する特異的抗体を作成し、マウスを用いて経時的にRT-PCR、免疫染色を行い、胎生期からの発生、各発達段階におけるretinal fascinの発現を検討した。 1.retinal fascinに対する抗体の作成:バキュロウィルス合成系を用いて昆虫細胞内でretinal fascinタンパク質を合成した。このタンパク質とアジュバンドを等量混合して白色家兎に複数回免疫を行い、約1ヶ月で抗体産生を得た。抗体価のチェックを行い、アフィニティーカラムを用いて抗体を精製した。 2.RT-PCR:胎生期から成熟期までのマウス網膜からRNAを抽出し、オリゴプライマーによって逆転写反応を行いretinal fascinのcDNAを作成した後PCRを行い、mRNAを検出した。胎生期には発現を認めず、生後7日頃より発現を認めた。発現は生後1ヶ月、2ヶ月でも継続して発現を認めた。 3.免疫染色法:胎生期から成熟期までのマウスの眼球を経時的に摘出後凍結し、凍結切片を作成した。作成したポリクローナル抗retinal fascin抗体で免疫染色を行った。retinal fascin蛋白は胎生期には発現を認めず、生後10日頃より1ヶ月後も継続して発現を認めた。コンフォーカル顕微鏡にて、網膜視細胞層外節に発現していることがわかった。免疫電顕法により、視細胞外節のconnecting cilliumに発現を認めた。 4.in situハイブリダイゼーション法:PCR法によりretinal fascinのcDNA断片を単離し、リボプローブを作成し、〔α-^<35>S〕dUTPを標識として用いてin situハイブリダイゼーション法を行った。発生、発達段階でのmRNAの発現を検討した結果、胎生期には発現を認めず、生後7日頃より発現を認めた。
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