2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性電気刺激の神経節細胞に対する神経保護・軸索再生作用
Project/Area Number |
17791230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 視神経 / 軸索切断 / 電気刺激 / 細胞死 / 生存 |
Research Abstract |
軸索切断後の網膜神経節細胞の生存及び軸索再生が電気刺激で促進できるかどうかを明らかにすることが本研究の目的である。ネコを用いて、網膜神経節細胞の軸索である視神経を切断した直後に急性電気刺激を行って、1週間後の生存を促進できることを明らかにしている。あらかじめ、成ネコの両側外側膝状体・視索に蛍光色素DiIの懸濁液を光反応をモニターしながら脳定位的に注入し、両眼球の網膜神経節細胞のほとんどを逆行性に標識した。急性電気刺激のパラメータを参考にして、刺激電極を慢性的にネコ視神経に留置し、頭蓋骨上に無線電気刺激装置の受信刺激機の接続コネクタを設置し、毎日1時間受信機をコネクタに接続して電気刺激を行い、生存が促進できるかどうかを試みた。その結果、いくつか問題点があることが明らかになった。慢性的に留置するカフ型電極が手術直後に視神経への接触が不十分で刺激が充分でないことがわかり、切断後にカフ電極を装着する際の剥離と電極装着のアプローチを変更した。また、無線刺激装置の出力が不足しているためその改造に加え、有線で刺激することも検討中である。 ラットの視神経切断後に経角膜的に眼球を電気刺激して、視神経切断後の網膜神経節細胞の生存を促進させた場合には、その電気刺激によって網膜内にIGF-1の発現が増加することを明らかにした。このIGF-1の発現の増加は電気刺激から4日後にピークを迎えることを明らかにした。視神経刺激とは刺激方法が異なるが、同じように栄養因子の発現の上昇などが起こっているならば、電気刺激は連日でなくても良いことが示唆された。
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