2006 Fiscal Year Annual Research Report
毛様体扁平部多点参照電極を用いた網膜貫通型電流刺激による人工視覚の検討
Project/Area Number |
17791231
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80379172)
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Keywords | 人工視覚 / 網膜貫通型電流 / 網膜刺激電極 / 参照電極 / 誘発電位 |
Research Abstract |
(1)参照電極の開発および設置術式の検討 参照電極として新たに直径200μmの白金電極を作成した。コーティングはエポキシにて施行し、先端のみコーティングを剥離した。家兎の毛様体扁平部より硝子体内に約1cm挿入し固定可能であった。 (2)網膜刺激電極の開発および設置術式の検討 昨年の結果では直径100μmのもので誘発電位が得られなかったので、今回は、網膜刺激電極として、直径200μmのエポキシコート白金線電極の先端1cmのエポキシコートを剥離し、先端を平坦加工したものを用いた。結膜切開後、強膜を約2mm切開し、上脈絡膜腔に粘弾性物質を注入し、電極を刺入した。眼底を観察しながら電極を挿入していき、後極部に設置した。強膜上の白金線は8-0バイクリル糸にて逢着固定した。 (3)毛様体扁平部多点参照電極を用いた網膜貫通型電流刺激による誘発電位(急性実験): (1)の参照電極を2本を家兎の毛様体扁平部2箇所(対極となる位置)に(1)の方法にて設置し、(2)の電極との間に通電させた(500μA)。この網膜貫通型電流刺激により、大脳皮質において誘発電位が認められた。2つの参照電極の、一方の参照電極との通電では大きな波形が得られ、他方の参照電極との通電では小さな波形が得られた。この実験結果より、一つの網膜刺激電極を用いることによっても参照電極の位置が異なることにより、大脳皮質における反応が異なる可能性が示唆された。異なる参照電極を用いることにより、異なる場所の大脳皮質に誘発電位が得られる可能性も考えられた。
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