2007 Fiscal Year Annual Research Report
毛様体扁平部多点参照電極を用いた網膜貫通型電流刺激による人工視覚の検討
Project/Area Number |
17791231
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 裕和 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (80379172)
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Keywords | 人工視覚 / 網膜貫通型電流 / 網膜刺激電極 / 参照電極 / 誘発電位 |
Research Abstract |
(1)4方向からの毛様体扁平部参照電極を用いた網膜貫通型電流刺激による誘発電位の変化(急性実験);家兎眼を用い、眼球毛様体扁平部のうち、上方、下方、耳側、鼻側の4方向に随時参照電極の位置を変え、同じ網膜後極部の強膜内に設置された刺激電極からの網膜貫通型電流で網膜を刺激した場合の誘発電位を調べたところ、いずれにおいても波形を認めが、有意な波形の変化は認められないという結果を得た。 (2)形状の異なる6種類の参照電極による誘発電位の変化;上記をさらに確認するため、同一の毛様体扁平部から硝子体内の長さの異なる6種類の参照電極を随時挿入し、それによる誘発電位の波形の変化について検討したところ、6種類すべての参照電極において大脳皮質で誘発電位を得たが、硝子体内の長さによる誘発電位の有意な相違は確認できなかった。 (3)強膜上あるいは耳に参照電極を設置した場合の誘発電位の変化;さらに、強膜上あるいは耳に、すなわち硝子体内に参照電極をおかずに、毛様体扁平部付近眼球上および眼球外に参照電極を設置し、上記(2)と同様の実験を行ったところ、強膜上では上記(2)と同様の波形が得られ、耳に設置した場合は、波形は得られたものの、他のものと同様の波形は得られなかった(反応波数が少なく、電位も低下している)。 以上のことから、網膜貫通型の電流刺激を施行する場合、毛様体扁平部であれば強膜上においても、硝子体内に長く突出するものを用いても、大脳皮質においては同様の誘発電位が得られることが確認された。
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