2005 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAを用いた血管内皮接着分子抑制による脈絡膜新生血管の治療の開発
Project/Area Number |
17791247
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
櫻井 英二 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30305528)
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Keywords | 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性 / 白血球接着分子 / マクロファージ / siRNA |
Research Abstract |
【目的】近年加齢黄斑変性の脈絡膜新生血管(CNV)の発症過程において白血球の接着が関わっているとの報告がされている。今回我々はsiRNAを用いて脈絡膜血管内皮におけるICAM-1発現を抑制させ脈絡膜新生血管を抑制できるか検討した。【方法】C57BL/6Jマウスにレーザー網膜光凝固を行いICAM-1 siRNAおよび対照のsiRNA、10uMをレーザー光凝固直後に硝子体内に投与して、1週間後に眼球摘出し、FITC-lectinで染色しフラットマウントを作成後CNVの面積を測定し対照と比較検討した。またマウス眼にレーザー網膜光凝固25発を行い、治療群と対照群それぞれ3日後に眼球摘出し、網膜色素上皮-脈絡膜を分離してELISA法により血管内皮増殖因子(VEGF)の発現を測定した。また同様にレーザーを行い3日後に眼球摘出してCy5-F4/80で染色してフローサイトメトリーによりマクロファージの集積を見た。【結果】CNVの面積は、対照と比較しsiRNA投与群(62.7±4.3%;P<0.001)で有意に減少した。同様にsiRNA投与群は、VEGFの発現(66.5±9.3%、P<0.001)、マクロファージの集積伴に(45.6±6.5%,P<0.001)有意に減少した。【結論】ICAM-1 siRNAを硝子体内に投与することにより有意にレーザー発症のCNVの発症を抑制することができた。一般的な血管新生同様に、脈絡膜新生血管発症過程においても、白血球特にマクロファージが関与していることが考えられ、この手法が治療に用いられる可能性が示唆された。
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