2006 Fiscal Year Annual Research Report
ぶどう膜炎に伴う併発白内障の成因と予防法に関する研究
Project/Area Number |
17791252
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
白井 久美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70326370)
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Keywords | ぶどう膜炎 / 白内障 / 上皮間葉系移行 |
Research Abstract |
Wistarラットをエーテル麻酔し、足底にリポポリサッカライドを200μg注入して実験的エンドトキシン誘発ぶどう膜炎を惹起した。一定時間後(1、2、6、12時間、1、2、5、10日後)に屠殺した。角膜輪部から眼房水を採取し、また水晶体を摘出して、各々で全TGFβ2量および活性型TGFβ2量、FGF2量を免疫アッセイで測定した。眼房水および水晶体とも12時間後から5日後で全TGFβ2量および活性型TGFβ2量、FGF2量は若干増加していた。 Smad3^<ex8/ex8>マウスとSmad3^<+/+>マウスをエーテル麻酔し、足底にリポポリサッカライドを30μg注入して実験的エンドトキシン誘発ぶどう膜炎を惹起した。一定時間後(1、2、6、12時間、1、2、5、10日、1、3か月後)に屠殺、眼球摘出し、組織学的検討を行った。眼球の連続切片を作成した。 Smad3^<+/+>マウスでは、HE染色でぶどう膜炎誘発後局所的に前嚢下白内障と思われる部分が1ヶ月後に認められたものがあった。上皮間葉系移行のマーカーであるα平滑筋アクチン、コラーゲンの発現が1ヶ月目以降に若干みられた。TGFβ、CTGFなどのgrowth factorは1ヶ月後に軽度に認められた。上記切片でTGFβ系の活性化の指標となるリン酸化Smad2、Smad3の核内移行の有無、さらにそれらの発現時間経過、発現部位について、免疫組織化学で検討した。リン酸化Smad2、Smad3は10日目に核内に染色性がわずかに認められた。 Smad3^<ex8/ex8>マウスでは白内障はみられなかった。またα平滑筋アクチン、コラーゲン、TGFβ、CTGFは認められなかった。
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